NPOとの協働

宮城県庁 環境生活部次長(1998年~2001年)

・東洋大学教員の時、宮城県の浅野史郎知事から「民間の女性を県の幹部職員に登用したい」。
 「県政の改革を推進を手伝ってくれませんか?」と誘いを受けました。
・大学も順調だったので悩んだ末、自治体の行政職を経験できる貴重な機会と大学を辞職し就任しました。
・「環境生活部次長」に就任し、以下はその時の仕事内容です。

《NPO活動支援》

(1) NPO活動推進基本計画の起草と策定

・NPOの支援策と、NPOと行政のパートナーシップの在り方をまとめることに。
・県内7ヵ所を巡回し「NPOフォーラム」を実施しNPOの現状を把握。
・学識経験者、NPO関係者、市民などで構成する委員会を立ち上げ、議論を行い、起草案をまとめ「基本計画」を策定しました。

(2) NPOと協働事業を推進

・県庁とNPOの協働を具体化、県庁からNPOへの事業委託などを検討。
・NPOという言葉も新しく、協働という概念が県庁に全くなかった時代で、県庁職員への説明に時間をかけました。
・NPOからどういう事業が行政と可能か提案を募集。実に60件程集まりました。
・事業内容が合致する部署で吟味してもらい、初年度で6件ほど協働事業をスタート。

(3) みやぎNPOプラザでコミュニテイ・ビジネスを支援

・NPOの活動拠点として「みやぎNPOプラザ」を旧県立図書館に設置。
・拠点の目的、機能、利用規約を市民参加で策定しました。
・さらに県で初めて、公の施設(プラザ)の管理をNPOに委託。
・また「コミュニテイ・ビジネス」を支援しようと、プラザの一角を提供。
・障害者の職業訓練のための食事サービスを行うNPOがレストラン経営なしました。

《宮城県とローマ県の友好関係を樹立》

・宮城県で活躍する陶芸家や画家の方々から、イタリアのローマ県(イタリア市を含む広域圏)と宮城県との間で関係を樹立する  話が持ち上がりました。
・宮城県と縁のある仙台藩主の伊達政宗は約400年前、支倉常長をローマに送り交流を図りました。
・支倉はローマから名誉市民の称号を得ています。
・岩渕がローマ県まで赴きローマ県知事と交渉。
・協定内容を詰め、翌年仙台フィルハーモニーがローマ県を訪問し、友好コンサートを行うことを決定。
・無事実施され成功を収めました。
・2年をかけて、正式に宮城県とローマ県の姉妹県関係が樹立。
・石巻市のサンファンバウチスタ号の船上で、宮城県知事とローマ県知事により調印式が行われました。

※サンファンバウチスタ号は、支倉常長一行が宮城県から世界に出航する際に使った木造船。当時の材料や技術が再現され、石巻市に接岸されている。周りにはミュージアムがある。(現在は震災にあい閉館中)

みやぎNPOプラザ10周年に際して

・みやぎNPOプラザは2012年に10周年を迎えました。
・岩渕はプラザを推進した担当者として、2011年11月に行われた10周年のイベントに参加。
・10年前は「特定非営利活動法人・NPO法人」という言葉さえ社会では一般的ではありません。
・そういう中、NPOの情報発信基地を目指しました。
・宮城県内のNPO団体の紹介、イベント、研修、シンポジウム、求人、助成金、補助金、その他NPO有益な情報が何でも入手可能です。
・障害者の方々による職業訓練をかねたレストランが設置され、賑わっています。
・事務所ブースではNPOが数団体が入っているプラザ全体の管理・運営はNPOに委託し、活発な活動が展開されています。

みやぎNPOプラザは、宮城県内のNPO活動を総合的に推進するための中核機能拠点として宮城県が設置した施設で、平成13年4月に開館しています。NPO・市民・行政・企業など、多様な人と情報が活発に行き来し、NPOがよりよい成果をあげる活動支援をするため、さまざまな情報の受発信と場所の提供、出会いや学びの機会づくりに取り組んでいます。 (みやぎNPOプラザのホームページより)